北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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したがつて、大供給者である国有林・道有林、大需要者である産業資本、この二つの存在に視点をおき、正しい市場構造へ進めてゆく合理的な機構と体制を検討すべきである。国有林の機能が有効に発揮されることを期待する。北海道林業の今後における成長・発展は、木材需給と所得の不均衡並びに農業経営の不安定性に対し、その解決をはかることによつて達成せられる。そして、これらは林業資源の生産及び供給・利用を通じて進められるが、この場合、北海道林業資源の大半を占める国有林のあり方が、その成否に及ぼす影響は決定的であるといえる。もちろん、国有林は、公共的性格ゆえの拘束、独立採算制による経営維持の立場からの制約をうける。そのうえ、この経営は、全国一元的な機構のもとで、各地域の不均衡を相互に是正しつつ運営されている。しかし、土地産業という林業の性格に由来して、その経営のあり方は、これが所在する地域の経済に基調をおいたものでなければならない。は、国有林・民有林を通ずる総合性の強化が必然的となるから、双方有無相通ずる運用が国有林に要請せられるだろう。性がつねに強調せられることとなろう。るところきわめて大きいといえる。今後における北海道という地域を場とした林業政策さらに、諸般の政策遂行においても、国有林の指導いずれにしても、国有林機能の有効な発揮に期待す〝林構事業〟をかえりみる と ところ:長万部森林組合会議室林業構造改善事業の開始北海道林務部『林』一八九号き:昭和四二年九月二九日座談会(北海道立図書館所蔵)一九六七年一二月303第2節 林業・林産業の発展13         (4) 

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