北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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〈中略〉わけで、この点一、二年遅れたことが幸いしているのではないか、とも考えています。司会 市町村が指定を直接希望したということでなく、むしろ森林組合から指定を要請して来たことのほうが多かった。そのへんはいかがですか。広瀬 遠別の場合は、組合がやろうという呼びかけをしました。水上 美瑛の場合もそうです。やはり組合がやる気がなければ、やれないということで、一、二年間のばしたらよいんではないかという声もあったんですよ。ところが、せっかくこういうお話がきたんだから、初年度にやろうではないかということでふみ切りましたがそうとう組合も内部検討をつづけました。司会 主な事業主体である森林組合の主体的・内発的要請がないと、市町村としては受けにくいということですね。林構事業を実施して—美瑛町—美瑛町は六七、二三九haの面積を有し、うち農耕地が一一、七〇六haもある農業中心の町である。森林面積は四六、七一二haと総面積の七〇%を占めており、そのうち国有林が七〇%で、民有林は一三、三九二haあり、現在の伐採量二万㎥、造林は年間五百haを実施しており、林業に依存する度合はかなり大きいものがある。このような町に昭和三十九年三月、突然、当時道森林計画課企画調整係長をしておられた深瀬さんが来町されて、林業基本法制定に伴い、林業構造改善事業が実施されることになり、その初年度の指定候補町村ということで、本町で指定を受けるよう要請された。当時事業の内容などについては、林業基本法制定以前    でもあり具体的には何もなかった状態で、ただ、おおまかな事業区分があったのみで、深瀬係長さんの話しでは、道においては全道で五市町村を指定したいとのことであった。先ほども述べたように本町は農業の町であり、また広水上 敏美 307第2節 林業・林産業の発展

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