北海道現代史 資料編2(産業・経済)
326/1104

もくわわって、三十年以後の数年間は漸増期となった。しかし、工場の増加傾向も三十六年の一、四〇八工場を頂点としてその後は減少傾向をみせはじめ、四十年度末には一、二七二工場に減っている。一方、工場規模は全国の場合同様に年々拡充の方向をたどり、二十五年当時、一工場平均出力数三三キロワットであったものが、四十年度末には五五キロワットになり、総出力数約七万キロワットに達している。これは、小規模工場が減少し、工場規模が拡大化に向っていることと、企業の近代化や労働力不足に伴って機械化が進行していることを示すものであろう。製材用として消費される素材の量は、年々増加の傾向にあり、その針・広比率は、四十年度で五対四と針葉樹のほうが若干多く、約四五〇万立方mが合計消費量となっている。これは、本道の用材総需要量の約半数に当たると同時に、わが国の製材消費原木の約一割に相当する量である。製材生産量も年々増加の傾向にあり、四十年度は関連業界の不況と公共投資事業の一部くりのべによる建設需要の減退などにより、針葉樹製材では生産減となり、広葉樹製材も横ばいであったため、総生産量は前年比二%減の二、八一七千立方mにとどまったが、四十一年度は十一月末ですでに針葉樹一、四〇〇千立方m、広葉樹七八〇千立方m、合計二、一八〇千立方mに達しており、冬場の市況も堅調であり、針葉樹製材の本州送りが例年にない好況を示して、工場在荷も大幅に減少しているので、生産増傾向はふたたび強まるであろう。また、針葉樹原木の良材不足化傾向と、広葉樹材の有効利用が進んできたことにより、広葉樹製材の生産比率が年々増加し、最近三年間だけをみても、三十八年の針葉樹一〇〇に対して広葉樹五九が、三十九年では六四、四十年では六六と変化してきている。製材工場の分布をみると全道的にひろがっているが、     規模工場が中心となっており、一工場当たりの平均出力それぞれ地域ごとに特色のもっていることがわかる。すなわち、古くから開けてブナ資源の豊富な道南地方は小312第3章 林業

元のページ  ../index.html#326

このブックを見る