北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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昭和39一九六〇年代半ばの森林組合の状況数も三六~三七キロワットと全国平均と大差がない。製品はブナを主体とした広葉樹製材で、製函材、枕木、フローリング原板に向けられる。また、北海道では唯一のスギ製材の産地であり、最近は函館を中心に外材の製材も相当量行なわれるようになった。森林資源が豊富で、北海道の製材工業が資源指向型であることの大宗をなしている道北地域は、ナラを主とするインチ製材の中心地であるとともに、針葉樹建築材の大生産地であり、本道製材生産量のなかばを占めている。工場も大規模のものが多く、一工場当たりの平均出力数は六〇キロワットを越えている。道東地区は阿寒、裏大雪の資源に恵まれ、道北地域につぐ針葉樹建築材の生産地であって、釧路港からの東京方面向けの建築材移出も盛んである。また、人工植栽されたカラマツが伐期になってきて、最近カラマツ押角の生産が盛んになりつつある。消費地である札幌を中心とした地域は、建築材の需要が旺盛なため、針葉樹製材の生産比率が圧倒的に高く、これをとりまく日胆、空知地区は、針・広あいなかばした生産比率となっており、建築材のほか、本州向けの広葉樹乾燥木取り材、家具用材の生産が行なわれている。また、最近では製材用原木の不足と、道央地域を中心とした旺盛な建築材需要に刺激されて、外材を主原料とする工場もあらわれてきているが、四十年度における生産量は全道でも約一三万立方m程度で製材生産量にしめる比率はまだ少ない。1   況  概 〈中略〉(北海道大学農学部図書室所蔵)北海道林務部造林課『森林組合の現況 年度における』一九六六年全道市町村二二〇のうち森林組合は一九九あるが、(林産課)313第2節 林業・林産業の発展15 

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