北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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② 択伐や禁伐とする森林をできるだけふやし、自然環境の保全に努める。③ 人工林の周囲には天然林を残す。これにより、わが国の国有林総面積の約六割が、原生林または適正に管理される天然林として保存されていくことになる。今回公表した新しい森林施業の方針は、自然保護等の観点から、国有林野の一斉点検を昭和四五年の秋から実施した結果を集約することにより、森林のもつ緑の効用—木材生産、国土保全、水資源かん養、保健休養、動植物の保護、大気洗化、騒音防止等—を最高度に総合的に発揮させることを基調として次のように定められた。国土の保全、貴重な動植物の保護、保健休養等公益的機能の発揮が要請される森林は、それぞれの要請の状況に適合した森林の維持造成を行なうための森林施業を採用する。木材を持続的安定的に供給するため、公益的機能の発揮との調整を図りながら、森林生産力を向上させるための森林施業を行なう。処するためとくに、次の事項について施業上の配慮を行なう。ア イ ウ 新しい方針に基づく、森林施業の方法および施業方法今後ますます増大する公益的機能の発揮の要請に対貴重な動植物の保護、学術研究、保健休養に供すべき森林等については、保護林等を設定する。亜高山帯における森林、風致の維持等に必要な天然林等は、天然による更新力を有効に活用するような施業方法を採用し、森林の維持に努め、かつ森林生産力の向上にも資する。皆伐をして人工林を造成しようとする場合であっても、伐採面積を努めて小さくするとともにその箇所の分散を図る。また伐採箇所の周囲、保健休養的利用に供される道路の沿線等には、努めて森林生産力の維持、国土の保全、風致の維持等に必要な森林の残置を図る。2.森林施業の方法第3節 環境問題への注目と林業構造の転換(1) (2) 319   (3) 

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