北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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森林レクリェーションも広く行なわれる。中間地帯の森林この地帯は、木材生産地帯として樹木の成育条件に恵まれており、能率的な施業の可能な、人工林主体の森林が造成される。この地帯であっても伐採は、小伐区の皆伐が分散的に行なわれ、その周囲には天然林の保護樹帯が十分残される。この結果、森林の姿は、天然林にかこまれて活力にみちた優良な人工林が主体をなし、このために水と空気が清浄なこの地帯は、保健休養の場としても利用される。都市周辺の森林この地帯は、人間性回復のために「うるおい」の場として、生活環境の保全のための森林を造成する。地利的にも恵まれていることから、風致の維持と造成を中心とした、きめこまかな施業が行なわれる。この結果森林の姿は、人工林と天然林が織りなす緑に包まれ、その中には都市からの騒音等から隔離された、健全なレクリェーション施設や教育施設(例えば緑の自然教室)が整備される。そして家族ぐるみのピクニックや青少年の健康づくりに利用される。森林は、積極的な施業が加えられることによって、その健全な姿を維持することができるものである。森林を自然のあるがままに放置するなら、いつかは成長力を失しなった老齢過熟林となり、病虫害等に抵抗を弱めるばかりか、自然災害の誘因ともなりかねない。国有林野の森林施業にあっては、森林行政上から保安    的な自然保護に努めてきたものである。たとえば、自然林政策に積極的に取組んできたほか、その森林のあるべき姿に沿うよう、保護林等を設けて、これまでにも積極公園の禁伐区域約五〇万ヘクタールのうち八割に相当する約四〇万ヘクタールは国有林である。これは自然公園に先だって、大正四年に国有林内に設定した保護林が中心となっている。さらに先の保安林や鳥獣保護区、史跡名勝天然記念物の管理等国有林が自然保護に果たす役割は大きいものがある。4.国有林と自然保護第3章 林業(3) (2) 322

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