林産業界における倒産続出また最近では、自然の保護や保健休養のための秩序ある森林の利用開発として、国有林内に自然休養林を設けている。現在までに、三八箇所で五万ヘクタールを指定し、その年間利用者は約二千万人にのぼっている。この自然休養林は昭和五一年までに約一〇〇箇所を指定する予定である。国有林では、従来からこれらの制度を活用して自然保護に努めていたものであるが、今後の多様化、高度化していく森林への新しい社会的要請の急激な変化にも、適確に対応させるため、先に述べた新しい方針を策定したものである。さらにこの新しい森林施業の推進によって、森林のもつ緑の効用を最大に発揮させるという、国有林の施業上の基調を明確にすることが、さらにその推進にとって望ましいことから、今回の公表となったものである。(北海道大学農学部図書室所蔵)昨年、道内の製材企業は二十一件が倒産し、負債額二百十八億円で史上最高となった。今年に入っても相次ぎ、一月の四件四十四億円、二月も五件五十三億円というように巨額倒産が続出しており、本道の基幹産業だけに大きな社会問題になっている。道林務部の調べによると、道内の製材企業は昨年(五 (林野庁計画課)(網走管内)の五十億円、福多木材工業(上川管内)七十五年一~十二月)に二十一件が倒産。マツモク工業十億円の大型欠損金をはじめ総額で二百十八億円の負債を出した。倒産旋風は今年に入っても収まらず、一月には旭合板道内 木材倒産旋風収まらず今年に入っても続出 構造不況下の製材業『北海道民有林新聞』一九八一年三月一二日戦後、最大の危機第3節 環境問題への注目と林業構造の転換32318 (2)
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