北海道現代史 資料編2(産業・経済)
350/1104

ほぼ一七〇工場がカラマツ製材を生産しているのである。336しかし、これらの工場が連年カラマツ製材を生産しているわけではなく、断続的にカラマツを取扱っている工場も多いのである。もちろん、カラマツの取扱が多い工場ないしカラマツ専門工場は連続的にカラマツ製材を生産しているのである。ともあれ、製材工場のカラマツ取扱規模はかなり零細である。年間一千㎥未満生産の工場が大部分である。しかし、これらの零細層は漸次減少傾向にあることもまた事実であるが、そうはいっても主体であることには変りがない。こうしたカラマツ取扱規模別工場数の状態とカラマツ取扱量との関係を具体的にみると、表一三〈略〉のようになる。すなわち、カラマツ製材販売規模の小なる工場は、カラマツ製材工場の約八〇%を占めるにもかかわらず、カラマツ製材販売量は二〇%台にすぎず、さらにそのうちの京浜向販売量をみるとわずかに数%程度という有様であり、まさに低位な状態にある。しかし、これが当表は最近の実績であるが、約一五万㎥のカラマツ製材生産量つまり販売量の用途別内訳は、梱包用三五%、土建用(建築用プラス土木用)三一%、ダンネージ用一八%、それ以外一六%となっており、梱包、土建、ダンネージの上位三用途で八四%までを占めるのである。そして、約一五万㎥のカラマツ製材中京浜向は約八万㎥であり、過半数に達するが、用途別には梱包用約四万㎥、ダンネージ用約二万㎥が主なもので、それ以外の用途は数千㎥程度でしかなく、京浜向カラマツ製材は梱包、ダンネージの二用途で代表されるのである。物的なカラマツ製材の生産、販売状況については、以上述べてきたような諸特徴があり、それらについては、ほぼ理解しえたものと考える。それゆえ、次にこうしたカラマツ製材を生産するカラマツ工場そのものについて明らかにしたい。最近数年間の様子をみると、多少の変動はあるにせよ、〈中略〉〈中略〉第3章 林業      

元のページ  ../index.html#350

このブックを見る