北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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昭和二十二年六月に「北海道食品興業株式会社」として設立されてから半世紀、幾多の変遷をへてカラマツ企業の最大手に成長した株式会社サトウ(本社帯広市、秋元紀幸代表取締役社長)は二十二日、投資規模九億円で建設していた最先端工場の竣工と創立五十周年の記念式典を執り行った。新工場と既存工場を含めた原木消費量は、年間約十万㎥の道内最大の人工林材工場になる。株式会社サトウは、創立五十周年の記念すべき年であることと、国際的に通用する低コストを追求して、今年五月に老朽化していた第一工場をスクラップ、同敷地に総事業費九億円で最新工場の建設に着工していた。新工場の機械ラインの主なものでは、剥皮された原木がフィンランド製のチップキャンター装備の帯鋸四枚で製材するクォードソーに送材され、一分間最高九〇mの高速で四角に大割される。このあと、丸鋸四枚装備のダブルリッパーで一度に三枚の板に小割。また、側材の処理はフィンランド製の可変式ダブルエジャー(耳摺り機)が設置され、一分間最高三〇〇mの高速で、厚さ一二~五〇㎜、幅五〇~二四〇㎜まで製材される。最後の行程は七軸と五軸のトリマー(自動寸法カット積み込み)が配置されている。建物の面積は四〇〇〇㎡強で、旧工場の二倍の床面積である。原木消費量はカラマツを主体に年間六万九千五百㎥、製品生産は三万七千五百㎥を計画している。既存の小径木ラインを含めた年間の原木消費量は九万八千㎥、製材品で五万四千二百㎥が予定されている。(民有林新聞社所蔵)第3章 林業340    

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