〔Ⅱ 凶漁対策の構想〕道南凶漁地帯における構造改善行政区画のみに拘泥することなく漁船勢力の伸長度合及び各種漁業の操業実態に即応し、更に海域における将来の漁業発展の動向等を勘案して、漁業協同組合による円滑な共同管理が可能な限度において関係地区の広域化を図るものとする。また特に海区相互間若しくは漁業権相互間の入会操業調整を円滑にするため操業の実態に応じて円満な入漁関係を制度的に確立するよう漁場計画樹立段階において調整を行なうものとする。(北海道水産林務部所蔵)1.漁業構造の改善沿岸漁村における過剰就業問題は全国的なものであ北海道開発局長官房開発調査課「道南地域における凶漁対策の構想(案)」一九六一年り、本道においても例外ではないが、とくに道南では、すでに述べたとおり、重大な問題となっている。要がある。すなわち零細な漁家約一、八〇〇経営体(全体の二(%)、六、五〇〇人の就業者を他産業へ転業しうるようにする。(対 したがって、次のような考え方によって改善する必策)教育の振興漁村の子弟が他産業に安定的な就業の場を見出すためには、一般的な教育知識の取得が不可欠であるが、貧窮や地理的悪条件もあって不充分であり、教育を振興する必要がある。職業安定施設、職業訓練施設の拡充、強化漁業に従事したものは、他産業への転業が困難であるが、漁民を他産業へ就業させるためには職業訓練等の施設を積極的に活用し、他産業就業に必要な技術を獲得するよう援助すべきであり、そのためにも上記施設の拡充強化を図る必要がある。二〇カ)10 第2節 高度経済成長期における生産力発展(2) 377 (1)
元のページ ../index.html#391