げているが、全国的な資源集団の大きさからみても、サバ資源の利用は重要であり、したがって、はね釣の意義はきわめて大きい。② 三枚網漁業道南海域の浅海部は海底地形が比較的複雑で、棲息または来遊する魚種も多種多様にわたっている。これら魚種は量的に専用の漁業を営むほどの数量もなく、また大きさ、習性の異なる魚種ごとの漁具を所持することも困難なため、かなりの魚種が利用されないままに残っている。これらは年々の来遊の変動も少なく、棲息物は固定されているので沿岸小漁家の対策上、きわめて重要である。③ 引縄釣漁業ブリ、マグロ群は魚価も高いが、大資本漁業のため沿岸小漁家の利用はほとんど行われない現状であった。これが着火船による引縄釣漁業により解決されるに至ったが、道内においては普及され④ ず、青森県漁船が地元で操業しても傍観している状況であり、これの導入、普及も必要である。エビカゴ漁業エビは道南においてはボタンエビを主体として噴火湾で操業しておったが、最近瀬棚より松前にかけて種々のエビが生棲していることが判明し、操業を始め、かなりの成果を挙げているが、漁場図の作成、操業方法等さらに調査研究する必要がある。浅海資源の開発道南漁家の年間漁獲額は平均一五万二千円であるが、このうち藻類、貝類の占める比重はきわめて大きく、全体の七割程度を占め、かつ魚類と異なり安定しているため、凶漁対策の一環としても浅海資源の開発はきわめて重要である。道南地域における浅海増殖事業の対全道比は、岩しよう爆破、岩面そう破が事業量においてそれぞれ五八%、九三%とかなりの比重を占めているが、さ379第2節 高度経済成長期における生産力発展(3)
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