北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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漁家の営漁改善方策らにかなりの未利用平磯面積を有しており、これらを開発してコンブ、ワカメ、ノリ、テングサ等を増殖する必要がある。とくに、ノリは津軽海峡西部より日本海沿岸各地に適しているので一~三月の漁閉時期の収入として重要である。ホツキ移殖はわずか全道の六%を占めるに過ぎないが、噴火湾およびその他の砂地帯の振興上きわめて重要であり、また、アワビ、アカザラ貝の適地も多いので、さらに増殖をはかるべきである。投石をはじめとするこれら浅海増殖事業の実施にさいしては、事前に基礎条件である海流、発生状況等地先の特異性に対する科学的な基礎調査が必要であるが、さらに実施後の効果調査をも行うべきである。北海道指導漁業協同組合連合会『漁協における(北海道大学水産学部図書室所蔵) 「いつたい、この村の漁業を将来どう進めたらよいだろうか」—どこの漁村へいつても、このような話しがもちだされる。地域漁業の将来の青写真=計画目標がないから、漁家はどう進んたらよいか、とまどうであろう。地域漁業の将来の計画があつたとしても、往々にして、漁家の個別計画の積み上げという土台を省略して、建て物をつくつたようなケースが多い。それは空中楼閣であつて、現実的な建築物とはならないであろう。このように、現実的な漁家の感じ方から判断しても、地域漁業のセンターともいうべき漁協が、漁業の方向づけと、実施段階における指導性が、強く要請されているといえよう。これからの本道漁業は、第二期北海道総合開発計画にそつて進められようが、その主眼は、構造改善対策におかれるであろう。構造改善は、政策的見地からは、国、はしがき営漁改善指導の進め方』一九六三年38011 第4章 水産業    

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