年一一七万トンから五四年七四万トン(同六二%)に激減したため、水産加工業は大きな影響を受けた。また、漁獲量の減少に伴って、加工原魚の高騰がみられる。加工製品の需要動向水産物の消費量は、ここ一〇カ年余り変化はないが、支出額は食料費総支出額の伸び率を上回る伸びを示すなど、食生活の多様化している今日でも根強い需要がある。また、調味加工品等が増加し、素干品が減少しているほか、大都市での消費量が増加するなどの傾向にある。加工製品の供給動向全国の水産加工製品生産量は二〇〇海里規制以後も若干増加し、特に調味加工品、冷凍品が増加している。しかし、北海道においては二〇〇海里規制の影響で、すけとうだらを原料とする冷凍すりみ、干製品等が大巾に減少している。規制以後、北洋魚種の輸入が急増しており、海外における原魚買付競争から輸入価格の高騰がみられる。内需要の低調ないわし、さば缶詰等の輪出が増加している。3 (オホーツク海地域)当地域の水産加工業の振興を図るため、当地域で生産が拡大しているほたて貝、秋さけの利用、また、比較的利用度の低いほっけ、底曳網漁業の雑魚等の有効活用、さらに、当地域に蓄積されているフィーレブロック、すりみ製造技術のほか、最近新たに導入された外食産業向食品や冷凍食品製造技術の活用と発展等、地域の原魚特性、技術特性を生かし、次の基本的方向に対応すベきである。〈中略〉水産物貿易の動向我国の水産物の輸入は増加しているが、二〇〇海里一方輸出は、高級水産物の輸出が減少した反面、国産地水産加工業の進むべき基本的方向第4章 水産業 (3) (2) (4) 408
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