北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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需給関係を無視した生産体制、経営方針では、もはやほたて漁業は立ちゆかない状況にあると言えます。3 今後の展開方向このような需給環境の中で、ほたて漁業に内在する   から見直し、生産から販売まで含めた「産地からのマ課題を残したままでは個別の事象への対応を行ったとしても、ほたて漁業の行く末は早晩限界に達してしまうことが明らかです。この漁業が今後も北海道の栽培漁業を代表する漁業として生き残っていくためには、全道のほたて漁業関係者が一体となって、更なる取組みを展開すべき時期にきています。このため道漁連を中心として、生産、経営、流通加工など総合的な見地ーケティング戦略」を構築すべきと考えます。[ほたて漁業に内在する課題]① 過剰な生産投資・設備投資低価格に耐え得る収益性の高い漁業② 協調性に欠ける産地体制各地域、各漁協間の協調、漁業と加工業の連携③ 持」、「コストダウン」、「協調」がキーワードとなります。これは、「増産体制の見直しと低価格に耐え得る収益性の確保」を意味しています。これ以上の大幅な増産は、経営の悪化を助長するだけですので、全道レベルでの計画生産や価格動向にあった出荷調整も必要となっていますし、さらに徹底した生産経費の削減、経営の合理化についても検討すべきです。かつ戦略的な需要開拓に取組むことも合わせて必要です。需要開拓は長期間を要する地道な努力が必要であり、効果の見えにくい事業ですが、最近の家庭消費の拡大や関西市場での需要増など結果的に大きなインパクトになることから、この取組みの成否も一つの鍵を握っていると言えます。生かし切れない「北海道の優位性」全国生産の八割のシェア、IQ枠のガード等の活用産地体制を見直す視点としては、「生産・価格の維また、消費地に対してのアプローチとして、積極的414第4章 水産業

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