北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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及び高齢化が他の地域に比べて大きなものとなっている。2 漁協経営の現状と課題漁協は組合員である漁業者の生産活動を安定的に継続かつ促進するため、貯金の受入、事業資金の貸付などを行う信用事業、組合員の漁獲物の販売を行う販売事業、漁業用生産資材などを供給する購買事業のほか、営漁指導や漁業技術の普及など組合員の経営全般に渡る指導事業、さらには、製氷・冷凍事業や共済事業など様々な事業を総合的に行っている。しかし、平成三事業年度末における沿海地区漁協の経営収支は、当期損失を計上した組合が二二組合(前年一二組合)あるが、事業損益でマイナスを計上している組合は三九組合にのぼり、三割強の組合が事業総利益で管理費を賄えない状況となっている。また、繰越損失を有する組合は三七組合(前年三五組合)と、やはり全体の約三割を占めている。一方、総債権残高(貯担、未収預け金利息を除1 〈中略〉く)は約一、七六六億円であるが、このうち約四五〇億円(二六%)が固定化しており、約二二二億円(一三%)が回収不能と見込まれている。さらに、今後の漁協経営は、漁業生産活動の衰退や組合員の経営不振、魚価の低迷等による事業取扱高の停滞あるいは減少に加え、人件費等、諸経費の増大により事業総利益が減少し、その結果として欠損金を計上する漁協が増加するなど、一層悪化することが予想される。したがって今後とも漁協が期待される機能を発揮し、その役割を果たしていくためには、組織・事業運営の合理化や、見直しなどにより体制の整備強化を進めるとともに、事業規模の拡大、財務の健全化を図るなどして安定した経営基盤を確立することが必要である。Ⅱ 漁協の機能充実と組織強化のために機能充実と組織強化の方向第4章 水産業  (2) (4) (1) (3) 422

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