理化にあるように思われる。合理化という場合、設備機械といつた物の面ももちろん忘れてはならないが、モノをいうのは人の面であり、各人の体力、能力を最高度に働かせることができるかどうかが問題の鍵であると思う。 火事の時に、後になつてからビツクリするような大きな荷物を担ぎ出していた、という話をよく聞くが、これと同じようなことが会社の場合にも言える。会社として自立態勢に移らなければ自ら破滅を招くという「お家の大事」に直面している今この時に、自分では想像もできないような大きな力が湧いて来ないとは誰が断言できようか。石にかじりついてもこの危機を切り抜けたい、この必死の努力は必ずや報いられると思う。各人が持つている最高度のものゝすべてをみんなが出し合つてこの危機を切り抜けたい。各自々々には言いたいこともあるだろう。癪に障ることもあるに違いない。しかし自ら反省する必要がないということは決してあり得ないと思う。反省しながら言いたいことは言うし、言つたことには責任を持つてそれを後筆)〔(苫小牧工場電気部長〕実行することにすれば少くとも一歩の前進はできるだろう。これが社会に対する我々の最少限度のつとめであり、工場に対する義務であるように思われる。ともかく、お互に頑張つて、何としても自由競争、自立経済に対応する態勢を、一日も早く作り出したい。これが私の切なる念願である。昭和廿四年一月十一日(火) 工場総務課長 殿 ㊞ 第二会社社名懸賞募集の件(日本製鉄株式会社室蘭製鉄所所蔵)王子製紙株式会社苫小牧工場「第2会社社名懸賞募集の件他」一九四九年㊞ 整 備 部㊞ 計 画 課㊞2 第二会社社名懸賞募集の件448第5章 工業・情報通信【資本財】
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