専焼をその特徴としております。他方、以上の生産設備に対する原料関係設備といたしましては、総額三十四億を投じて、一時間千トンの荷揚能力をもつアンローダー二基を備えた新岸壁と、その後方に荷役設備を完備した約九万平方メートルの原料ヤードを造成し、この八月末から作業を開始しております。その結果、五万トン級の鉱石専用船がこの水深十三メートルの岸壁に楽に横づけできるようになった一方、従来ならば十日以上を要すると思われる貨物量でも、わずか二日程度で処理できるようになりましたため、今後は海外から良質の原料を大量にしかも比較的安く手に入れることが可能となったわけであります。これに先立ち、七月二十日から稼働を始めました転炉工場は、同じく第三次合理化計画の中核をなすものとして、昨年六月から総工費約三十二億をもって建設してまいったものでありますが、一回の製鋼能力七十トンの純酸素上吹転炉二基が好調な作業を行なっている現在、当所の鋼塊生産量が飛躍的に増加していることは、先に申し述べたとおりでございます。この転炉工場のために建設されました一万リユーベ酸素工場は、昨年二月に着工し約十一億を投じて、六月中旬から運転を開始しておりますが、その能力と設備内容において国内はもとより、世界でも有数の工場でございます。そのほか、鋼塊の増産に対応する均熱炉の増設や鋼片・鋼板設備の増強、更には発電及び送水関係設備の強化、化成設備の増強、窯業工場の移設等も含め、第三次合理化計画による各設備は、当所に飛躍的な発展を約束するものであります。それだけに、今後社内はもとより業界の各位、需要家 の皆様から寄せられる御期待を思いますとき、私どもは与えられた使命の重大さをひしひしと感じている次第でございます。私どもといたしましては、この重責を全うし、皆様の御期待・御要望におこたえすべく、今後一層技術の研さんに励み、これらの新鋭設備を駆使して日夜生産に邁進455第2節 高度成長期の大型投資
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