北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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工業の基盤が形成された時代であったのであります。爾来幾多の苦難の道を歩まれつつ、昭和十二年以降大拡張を行なって、銑鋼一貫設備を持つ近代的製鉄所に発展し、室蘭地帯が名実ともに我が国第一級の重工業地帯として、今日の繁栄をもたらし、北海道工業の発展に最も重大な役割を果たすに至ったのであります。このたびの施設は、先きの昭和十三年の大拡張にも匹敵すべきものであり、現在では我が国最大級の第四高炉を初()め、各種新鋭設備が完成して、生産能力は一躍倍増が期待されるとのことでありまして、日本経済の高度成長と本道工業の開発振興上、まことに心強い次第と存ずるのであります。この巨大な設備計画の達成に至るまで永野社長、佐山所長はじめ従業員並びに関係者各位の尽されました並々ならぬ御努力に対し、深甚なる敬意を表するとともに心からお祝いの言葉を申しあげる次第でございます。日本経済の近時の飛躍に対処して、本製鉄所は、近い将来更に大規模な増設計画を樹立するの要ありと存じますが、私はここに本製鉄所の輝かしい発展を心から祈念いたし、お祝の言葉といたします。本日はまことにおめでとうございます。全市民に代りまして衷心より祝意を表するものでございます。今や北海道総合開発第二次五カ年計画の第四年目を迎え、本市を中心とする特定工業地帯の造成は着々と進み、総合的な産業経済の進展を図るとともに港湾の整備、日胆地方産業と相互の連けいをますます深め、その目的達成にまい進しているものでございますが、このときにあたり、御社が巨額の投資をなされ昨年より建設中でありました、我が国最大をほこる諸施設の完成をみましたことは、まことに時宜をえたものでありまして、本市にとりましてはもちろんのこと、全道ひいては我が国産業経済の伸展に寄与するところ、極めて重且つ大なるものがあると確信する次第でございます。本計画達成にあたり御社当局の、うって一丸となり仕時宜をえた建設に敬意室蘭市長 熊谷 綾雄 457第2節 高度成長期の大型投資    始   

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