理の実現が可能となるので、ここに新聞用紙専抄設備一式の増設計画を立案した次第である。(王子製紙苫小牧工場紙パルプ設備増設計画書p三の(3)当該計画実施後の効果の項御参照願いたい)設備計画の構想は後程御説明するが、その基本は 以上の観点から第一期 第二期 を計画した。2.原木事情の変化と原料系統の新製造技術の採用について我が国の森林資源の枯渇の状態については御承知の通りであるが、北海道に於ては全国蓄積の三割以上を占め、当面北洋材の生産は逼迫しているが、不良広葉樹の整理による森林生産性の向上と相俟って、未開発奥地林を利用することにすれば、資源的には八、六四〇m/m 抄紙機 新聞用紙 日産五〇〇瓲三、六八〇m/m 抄紙機 グラビヤ用紙 日産八〇瓲二基二基全国で最も豊富に恵まれている地域である。これが為、予てから道内に新工場の建設を目論でいたが、原料面から見ると、パルプ材は益々広葉樹に依存する必要性に迫られていると共に、近い将来、短伐期樹種、特に計画造林されている落葉松、イタリヤポプラの利用による製造技術の採用が要請されている。既設工場に於ても、既に第一期近代化計画として原料面の体質改善を図る為、セミケミカルパルプ、ケミグラウンドパルプの製造技術を率先採用して、新聞用紙製造面に着々その成果を挙げているが、この技術的基礎と経験の上に立って、増設工場に於ては、原料面からの制約を解決する技術的見透しが確立された。即ち広葉樹、落葉松、及び廃材チップ、近い将来のイタリヤポプラの綜合利用に依り、新聞用紙の生産増強に伴う所謂北洋材の消費増を抑制して、原料系統を維持出来る新技術体系を採用出来る見透しを第2節 高度成長期の大型投資(イ) 463(ロ)
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