得て、広葉樹五〇%の使用を見込むと共に、既設製造設備に於ても広葉樹三〇%強の利用も考慮し、綜合的に使用原料材の配合を調節出来ることが技術的に可能となった。猶、弊社に於ては、北海道に於て約九万町歩、蓄積三、〇〇〇万石の社有林を保有しているが、これの綜合開発の為、三〇年度より栗山に林木育種研究所を設置し、短伐期優良樹種の造成を図って、これらの研究の成果と共に、道北道東地区の社有林の林相改良はもとより、苫小牧周辺道南地区に新造林計画を推進し、近い将来使用原木の半数を自給する体制を確立しつゝある。この原料面の綜合利用のためには、既設設備では原料系統が複雑化し、且つコントロールが限界に達しているので、新聞用紙生産のため新規製造設備一セットを必要とし、これによってケミグラウンドパルプ、化学パルプ(クラフト法)等の綜合的パルプ製造設備を計画した。3.苫小牧工場に増設する地域的理由北海道綜合開発計画の推進により、年々道路網が整備され、原料面の集荷の機動性が向上されつつあり、製紙工場設置の為の原料集荷の制約が、輸送面から解決される見通しである。従って輸送距離に依る原料運賃の支出の節減よりも、製品輸送、副資材の入荷、動力の調達、設備保全技術面等他の問題点に重点を置いて、製紙工場立地条件を検討する必要がある。オートメーション化に依る近代工場は、設備保全の保全技術について精密機械工学的に高度な技術水準の確保が必要とされるので、関連企業の相関性が立地条件として考慮されねばならない。苫小牧工業港の造成は、三六年度の予算面から見てもその実現性が確実となり、臨海工業都市の形成も近く具体化されると見越されるので、この港湾利用による製品市場への輸送の直結という観点から、苫小牧に於ける新聞用紙の製造設備の増設が、前(イ) 第5章 工業・情報通信【資本財】(ハ) (ロ) (イ) 464
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