北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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置するという基本方針を決定した。ここで特に申し上げておきたいのは、今般の抄紙機の増設については、現在我国のおかれている紙パルプ業界の環境、すなわち原料資源が枯渇しているという致命的なものに加え、資本及び貿易の自由化時代を迎えた今日、国際競争力強化をねらいとして、王子三社合併を推進してきたが、これが不可能となつた現在、王子単独でも国際競争に耐えうる力を作り出さねばならないということである。このためには工場全体の生産性の向上を図り、できるだけ安価で、かつ価値のある建設を推進することが急務であると考えている。新三号抄紙機完成によつて、苫小牧工場は新聞用紙専抄工場としては世界一の工場になるが、大きさだけでは国際競争には耐えられず、あらゆる点で近代化を進め、原価の引下げを図つていくことが必要である。更に工場の規模の増大に伴い新聞用紙供給の社会的責任も同時に重大になるわけである。組合員各位におかれては、これらの事実を十分認識され、苫小牧工場が国際競争にたち向い、生き残れるために絶大な御協力を切にお願いする次第である。暑熱対策を中心とした職場環境の改善も念頭において建設を進めていく考えである。してきたわけであり、この生々しい経験を生かし安全には十分留意して無事故・無災害で、これからの建設を推進していきたいと考えている。重ねて御協力をお願い申し上げたい。二、臨時建設部組織について          牧工場臨時建設部」を設置した。今回の組織は従来と異なり本社に本部はおかず、工場に臨時建設部をおき、本社関係業務については本社の業務機関を通じて行なうこととなつた。勿論建設工事は全社一丸となつて行なうわけであるが、その意味においては従来にも増して工場の責任は重いわけであり、建設部員のみならずなお、今回の建設に当つては、その当初から夏季の最後に、我々は過去多くの新鋭抄紙機の増設を経験本日、新三号抄紙機建設のため苫小牧工場に「苫小武内工場長代理467第2節 高度成長期の大型投資

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