北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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着化」であります。生産設備対策の実施に伴い、当所の生産設備構造は大幅に変化することとなりますので、生産・設備・品質・人員等のあらゆる面について万全を期し、円滑に推進しなければなりません。昨年来、周到な配慮のもとに着実に諸準備を進めていただきましたが、本年はこの推進基盤の上に立ち、整然たる実施に向けて次の三点について最善を尽くしていただきたいと思います。第一は、〝生産設備対策の円滑な推進と早期定着化〟であります。当所の製造プロセスを抜本的に変革する製鋼統合、細物から太物まで一貫した高級線材の供給体制を確立するための線材サイズを拡大する工事のいずれも、当所の体質を強化する上で重大な鍵を握っていることを強く認識し、早期完遂と安定操業の実現に向けて最大限の努力を傾け、所期の効果を一日も早くあげなければなりません。 また、連熱工場二交代化については、運転部門と整備部門を一体化し、効率的な操業体制をとるものであり、この体制は当所にとって初めての試みであることから周到な諸準備を行い、早期に定着化することが必要であります。第二は、〝安定した品質の造り込み〟であります。現下の熾烈な品質競争の中にあって、当所製品の品質は皆さんの並々ならぬ努力によって、需要家から高い信頼を得ております。それだけに、新生産体制の下で需要家に迷惑をかけないよう、製銑から製品にいたる全工程において、安定した品質の造り込みにベストを尽くしていただきたいと思います。第三は、〝人員対策の円滑な推進〟であります。        新生産体制への移行に伴い、大幅に人が異動することとなりますが、特に転勤、所内配転などにより職場を変わる方々が希望をもって逸早く新しい職務に精励できるよう、技能教育等の諸準備に万全を期していただきたい。なお、大形をはじめ第二製鋼転炉・第二連鋳・第二分塊の各工場は、残念ながら本年順次休止することとなりますが、これまでの輝かしい実績の上に立ち、休止する475第3節 1970年代以降の各企業

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