北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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までコスト切下げ・品質向上等の操業努力を続け、有終の美を飾りたいと思います。新たな観点からの徹底した収益改善の推進第二の方針は、「新たな観点からの徹底した収益改善の推進」であります。先程も申し述べた通り、本年は、稼働率の低下により損益面において極めて厳しい条件への移行を余儀なくされるとともに、中長期的には、競争力を有する特殊鋼の室蘭としての構造を築きあげる必要があります。また本年は、「アクティブムロラン」運動の最終年に当たり、運動の成果を確実なものとする必要があります。かかる認識のもとに本年は、従来より強力に推進している歩留・原単位の向上、省エネルギーについて、さらに業界トップレベルを目指すべく努力するとともに、特に本年は次の三点について並々ならぬ覚悟で発想の転換を図りつつ、積極果敢に取り組んでいただきたいと思います。第一は、〝大幅な固定費の削減〟であります。当所の固定費は、依然として低生産・高炉一基操業にふさわしい水準ではなく徹底した削減を図る必要があります。本年は、冒頭申し述べましたように中長期的にも競争力ある新しい製鉄所を築きあげるという視点で、要員のミニマム化による労働生産性の向上、粗鋼トン当たり整備費および諸経費の大幅な圧縮などに取り組まなければなりません。第二は、〝徹底した間接部門費の削減〟であります。所全体の固定費に占める間接部門の比率は現在五〇%を超えており、徹底した間接部門費の削減を特に強調するゆえんであります。このため、各人・各層が現行制度や慣習等を根底から洗い直すとともに、間接部門にもう一度厳しい目を向け、コスト切下げの芽を発掘し追求しなければなりません。とりわけ、比較的目の届きにくい分野にも一つひとつ改めてスポットをあて、不合理な点は無いか、甘さは無いかを厳しく点検し具体的対応策を迅速に打つことが肝要であります。第三は〝TOP―30運動の強力な展開〟であります。        476第5章 工業・情報通信【資本財】

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