昨年よりスタートした業務効率化運動を、本年はさらに発展させ、過剰管理の見直し、業務の質的レベルアップ・高付加価値化、OA化等の積極的推進を中心に強力に展開し、この運動を所内すみずみにまでゆきわたらせ、 文字どおり、特殊鋼の室蘭にふさわしい新たな業務運営体質の構築にまい進していただきたいと思います。また、新規事業の開拓などの人材有効活用策についても積極的に推進していかなければなりません。明日を拓く技術力の強化・充実第三の方針は、「明日を拓く技術力の強化・充実」であります。市場競争の激しい特殊鋼を主体とする当所が、特殊鋼の室蘭として確固たる地歩を固めるためには、これまで申し述べた方針の達成のみならず、中長期的展望に立脚し、商品競争力の格段の向上を期するとともに、当所の将来にわたる存立基盤の整備・充実にも取り組まなければなりません。これを推し進める原動力は技術力であり、これまで皆さんが心血を注ぎ蓄積してきた高度な技術力をさらに強化・充実し、次の二点を着実に推進していただきたいと思います。第一は、〝商品供給体制の強化〟であります。最近の鉄鋼製品の市場環境は、需要家要求の高度化・多様化などにより、ますます厳しさを増しております。こうした市場競争に打ち勝つためには、需要家の品質・経済性・デリバリーなどへの厳しい諸要求に即応した商品を安定的にかつタイミング良く供給する体制を一層強化しなければなりません。このため、需要家とのコンタクトをさらに深め、市場情報を系統的に把握し、コスト競争力を踏まえた効率的な品質設計・工程管理システム・製造体制を一刻も早く確立し、クロム系ステンレス・高炭素鋼板、高級棒鋼・線材等の既存商品の拡販に努力するとともに、既に当所で開発した鉛快削鋼、工程簡省略棒鋼・線材、異形断面鋼板、チタン薄板・棒鋼等の高性能新鋼材を、現実のマーケットに素早く結びつけていくために、早期商品化に477第3節 1970年代以降の各企業
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