北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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〔営業の概況〕を心からお祈りして新年のごあいさつといたします。このような当社の現状にかんがみ、従来の経営体制による再建は不可能と判断し、最悪の事態を回避すべく本年六月以来、関係各方面のご協力を得て人員規模の大幅削減、新会社の設立および新会社への営業全部譲渡、新会社の来島グループ傘下入りからなる新たな再建計画を推進してまいりました。人員規模については、去る九月七日から一四日迄の間に実施した希望退職者の募集により一、六七五人(希望退職者募集前)から一、〇三三人に縮小すると共に、新函館ドック株式会社「第一六四期中間報告書」(同『営業報告書 八四年 (市立室蘭図書館所蔵)自一〇九回至一六四回』一九所収)会社として南北海道興産株式会社が株式会社来島どつく殿・株式会社富士銀行殿および当社等の出資により先般設立されました。南北海道興産株式会社は、我が国造船業界において確固たる地位を築いている株式会社来島どつく殿が約六五%の出資をしており、当社としては南北海道興産株式会社に対し当社の営業全部を譲渡し、以って当社が北海道の地域社会において果たしてきた役割と函館ドックの灯を引き継いでいただくこととしたいと存じます。この営業譲渡が行なわれた後は、当社は南北海道興産株式会社に工場財団をリース(賃貸)すると共に、そのリース料により借入債務等の処理に専念することとしたいと存じます。株主の皆様には長期間に亘り何等お報いすることが出     渡の趣旨をご理解賜わり、今後ともなお一層のご支援、来なかったことを深くお詫び申し上げると共に、営業譲ご鞭撻を賜わりますようお願い申しあげます。(函館どつく株式会社所蔵)造船業(他社傘下):函館どつく480第5章 工業・情報通信【資本財】10 

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