北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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再編成計画に関し工場分割不可の説明書工場の分割経営は左の困難と支障がある。一、現在の工場の配置は、北海道庁の拓殖計画と糖業政策の下に、決定せられたもので、必ずしも甜菜栽培の適地を中心に建設せられたものではない。従つて原料運搬距離の遠近、使用原料の良否等によつて工場毎にGHQによる企業分割日本甜菜製糖株式会社「過度経済力集中排除法ほか」〔一九四八年〕日本甜菜製糖株式会社生産費を異にし、現在綜合的経営により三工場の維持が可能であるが、夫々立地条件を異にする工場を分割経営する場合は、工場に依り経営が困難となるものが出来、延いては甜菜糖業の健全なる発達を阻害する。(別紙経営内容参照〈略〉)一、工場を分割経営する場合は、本社費、東京事務所費等一般管理費の重複を来し、全体に生産費の増嵩となつて、之が現状に於ては消費者に転嫁されて、其の負担を増加することゝなり又将来統制が撤□()され外国糖と競争する時代となれば生産者の負担となり、企業の存立が脅かされる。(別紙経営内容参照〈略〉)一、工場統合が行はれない以前の事情を調べてみると、明治製糖会社の元工場であつた清水・士別両工場共に毎決算期の前後期を通算すれば殆んど赤字で終始してゐる。之は常に糖価が台湾糖の価格に押へられてゐたことゝ、殊に戦時には肥料、労力の不足と、甜菜の価格が他作物に比し低廉であつたという悪条件堆積の結果益々経営の困難度を加えたことである。唯偶々同社廃カ【工業(消費財)】【消費財】第一節 大衆消費の時代へ再編成計画に関し工場分割不可の説明書485第1節 大衆消費の時代へ (1) 14 

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