北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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の分工場であつたために、赤字は同社の台湾糖利益によつて償はれてゐた点である。又当社の前身である北海道製糖の場合は屡々増資、減資を繰返して辛うじて経営を維持、最近に至つて、イースト果糖等の副業利益により僅かに収益を挙げて来たに過ぎない。別紙沿革表〈略〉に示した通り減資、増資其の他幾たの変転を重ねたことは凡て生産高の僅少に基因する経営難にある。(別紙経営内容参照〈略〉)一、昭和二十二年度に於て、収支が一応償うことは、価格が原価計算方式によつて定められるためで之が外糖の輸入と相俟つて、自由経済時代を現出する場合は、現在の経営形態でさえ忽ち□()営困難を来すことは必然である。従つて仮に無理にも分割する場合を想定し、一応士別工□()を買収前に復帰し、同工場のみを独立させると別紙表〈略〉の通りとなる。斯くて平時に於ては更に外糖輸入採算点の限界が経営を益々困難ならしめ、往時と同様の結果を招来する。(別紙損益表昭和二十二年期収支計算表〈略〉)場経  一、会社は現在運転資金として北海道拓殖銀行外十一行から四億円の共同融資を受けてゐるが、工場分割に依り会社の信用を低下し、今後の金融に重大な困難が予想される。各銀行別融資額は左の通りである。一.工場の分割経営に依り、原料甜菜及ひ石炭其の他の北 拓    二〇五、〇〇〇千円農 中      北 陸      日 貯      安 田      三 菱      帝 國      勸 銀      住 友      三 和       東 京       興 銀       計      四〇〇、〇〇〇五〇、〇〇〇三〇、〇〇〇三〇、〇〇〇二〇、〇〇〇一五、〇〇〇一五、〇〇〇一〇、〇〇〇一〇、〇〇〇五、〇〇〇五、〇〇〇五、〇〇〇486第5章 工業・情報通信【消費財】

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