北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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を維持しつゝ遂行するには自から限度が有ります。斯かる見地に立つて社内的には合理化の手段を尽し、相当の成績を挙げて参りましたが、尚此の上劣悪化するバター事業の基礎を確立するには、その資本的性格を同じくするクロバー乳業株式会社との合併を為して、集荷系統の整理、生産整備の有機的運用、販売設備、単純合理化、重複経費の節約を為し、残されたる唯一つの積極的合理化を進めることによつてバター販売価格低減の可能性を求める以外には無いのであります。クロバー乳業株式会社と当社の合併については、昭和    央会、道酪農協会主催)、全道農業協同組合大会等に於二十九年以来全道農民大会、北海道農民同盟酪農専門委員会、危機突破北海道酪農大会(道農業会議、道農協中いて決議されたる経過より見ても北海道農業関係団体及び傘下酪農民の総意であり又一般大衆にバターを安価に供給する為にも大衆の要望するところでありまして、社内的には昭和三十年五月当社通常総会の懇談会に於いても満場一致附帯決議され、その後当社重役会に於いて具体的促進方を決議し、合同促進委員会を設けて準備致したる次第でありますが、不幸にして乳牛導入資金に関する独禁法違反事件、次いで青森県三八地区に於ける被疑事件発生するに及び両社合併問題とは自ら別個の性質を有する条件ではありますが、被審人たる立場を慎重に考慮して合併促進を躊躇して今日に及んでいる次第であります。然る処、上述の理由により遷延するを許さざる事情にありますので茲に合併を実現し、敢て積極的合理化の実を挙げてバターの消流を計り、バターを主体とする乳製品事業の基礎を確立して酪農民及び一般消費大衆の利益に奉仕せんと希求して止みません。茲に貴委員会の御高察を得度陳情申上げる次第であります。(雪印メグミルク株式会社所蔵)490第5章 工業・情報通信【消費財】

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