類そのものの頭打ちもあって、戦前に於ける商標力の強さに比例して三矢、リボン、キリンの順序は程度の差こそあれ、現在まで持続している。飲料水の世界に於ける画期的な出来事は、昭和二六年一一月朝日社がアメリカのウイルキンソン・クロホード社と提携してジユースと云う商品を初めて日本に紹介したことである。即ち同年、朝日社はバヤリーズオレンジを市場に出したが、ジユースが日本人の嗜好にマッチしたため急激な勢いで顧客を獲得し、サイダーと並んで、我国の飲料水界を二分するに至った。又ウイルキリンタンサンも朝日社から販売され、洋酒ブームに乗つて著しい伸びを示している。当社も時代の要請に応えるべく翌二七年四月リボンジユースの発売に踏切ると同時にリボンタンサンを復活した(戦前より下部鉱泉を原料とするタンサン水を販売していた)。リボンジユース、リボンタンサンとも順調な伸長を続け今日に及んでいる。その間、昭和三〇年にはビール業界では初めての試みとして濃縮リボンジユース(オレンジ)を発売したが、これ又非常に好評を得て当社の主力製品の一つとなっている。現在は別表〈略〉に見られる如く、二五種類(ニツポン、サツポロの別に分けると二七種類)の製品を市場に出しているのである。い、サイダー類が停滞気味であるのに比し、ジュース類はストレート、濃縮、缶詰と種々形を変え、品種を増しつつ順調に伸びている。提携し、ジンジヤーエールの販売も開始したが、その将来性はともかく現在のところ未だ日の目をみるに至っていない。第一章で述べた如く、時代の推移は嗜好の変遷を伴尚、昭和三二年には、アメリカのカナダドライ社と北海道酒類販売株式会社『北酒販』四九号(サッポロビール博物館所蔵)一九六五年一月 職員諸兄の絶対の奮起を望む496第5章 工業・情報通信【消費財】19
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