産される予定のもとに、総体の工事は極めて順調に進捗しております。昭和四十年の課題先ずビール販売戦に勝ち抜くためには常々多くの苦労が伴うものです。このことは既に取扱い開始の三十六年以来の労苦によっても既に認識済のはずであります。だが然し、自己の商品としてのアサヒビールに対しては、今年こそ絶対の自信を以て売り進める気概を昻めなくてはなりません。取りも直さず、市場占有率の絶対の大幅確保であります。それというのも、アサヒビールの販売計画の完成は単にビールだけの販売の完成にとどまるものではありません。当社が総合食品問屋として今後進む上に、全酒類を始め、食品の販売の拠点となりうるのが、このビールであります。さらに工場建設が完成されますと、北海道における産業開拓史の一頁を飾ることは当然であります。従って当社にとってのビールは、当社発展の基盤作りになることの最も大なる希望と、重要性を保持している商品であることを、全員が認識を新にして戴きたいのであります。今般農林当局に於て余剰農産物見返資金を以て、北海 道に甜菜糖工場新設の御計画があります事は、寒地農業の確立と国内甜菜糖増産に裨益するところ大なるものありと信じ御同慶に堪えません。然る処現在道内には弊社帯広、磯分内、士別の三工場が稼働し、甜菜生産振興臨時措置法の増産計画に従って、499甜菜糖工場新設に関する御願書日本甜菜製糖株式会社 (北海道酒類販売株式会社所蔵)日本甜菜製糖株式会社「美幌工場新設推移㈠」 取締役社長 宮本 来治 一九五六年二月甜菜糖工場新設に関する御願書第1節 大衆消費の時代へ20
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