北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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的に影響し今までにない大幅損失を余儀なくされて居ります。一方当社の主業であるビート部門は、昨年十月決定を見た五十年度産の砂糖買入価格が、実態見込コストを相当下廻った価格にて決定され、期初より大きな損失を予測せざるを得ない羽目となったことは御承知の通りであります。その後社内一致協力の努力にもかからわず、原料並びに歩留が予想以上に低位に落込み、一層赤字幅の増大を来す結果となりました。更に国内糖価の低落により、ビート糖の販売面でも、このままでは今後も更に出血を見込まざるを得ぬ状況と思われます。又、先頃取纒めた当社の五十一年度原料作付予想は、昨年度原料買上価格への不満及び反収減等が積み重なり、所期する作付反別の確保もなかなか容易ならざる状況であります。尚又有望な関連部門も不況の長期化で必ずしも楽観出来ぬ情勢にあります。かかる社業の現況に鑑み、経費の節約については、曩に社内各位の全面的協力の下に経費予算の緊縮再編成を行いましたが、之が実施に際し更に節約に努めるよう強くお願い致します。又、新規採用の中止、定退者の補充停止等の措置をとり、人件費の節減を行うことと致しますから宜敷く御協力願います。吾々の事業は甜菜糖業の発展を通じ生長し、国家社会に貢献して今日に至っております。この間幾多の先輩の苦闘と各位の努力によって築き上げて来たこの吾々の「日甜」を護り抜く為には、各位が各位の職場で誠実に最善の努力を尽す以外にないと思います。当社長年に亘る堅実経営の結果、会社の体質は何とか        之に耐え得るものと確信して居ります。又、精糖業界も真剣に糖価回復の為の対策を講じて居り、農林省も之を積極的に支援して居りますので、近い内に必ず或る程度の成果を期待し得ると思います。各位もこの事態を良く認識し、希望を失わず、決意を新にし、一致協力この難局をともに打開して行こうでは517第2節 消費多様化時代

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