北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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ありませんか。茲に従業員各位の全面的協力をお願いする次第であります。昭和五三年度 石油危機以来すでに四年を経過して、低成長期に入つ   上②  決であり、多くの構造不況産業をかゝえていることに原たのであるが、現在はそういう減速経済に適応し得るような産業構造への改善が必要とされている。不況は長期化しており、政府の景気刺激政策にも拘らず一向に回復の兆がみられない。それというのも構造改革が全く未解因がある。株式会社ミツウマ「幹部会議資料 年度」一九七七年(日本甜菜製糖株式会社ビート資料館所蔵)基本方針昭和五十二通産省から構造不況産業に指定されているものは一三業種にのぼるが、それを原因別にみると、①長期的にみて国際競争力がなくなり、輸入品に圧迫されるもの 以 高度成長のさいに過剰設備の生じたもの 価格、原料価格の高騰によりコスト高に悩むもの、などに分類できる。この①に属するものは繊維、海運、合板、造船であるが、吾々のゴム履物はその指定を受けていないものの、全く同じような状況にあるといえる。これ等の産業に共通していることは、過剰生産の状態にあつて現在の需要水準では在庫増から値崩れを生じ、過当競争により結局収益の悪化になるという悪循環をくりかえしているということである。従つて構造不況産業はその需要水準に見合う程度の規模に縮小されなければならない宿命にある。産業構造の改善といつても、所詮は潰れるものは潰すという冷徹な市場原理が貫かれることになるのである。こうした減速経済の大きなうねりの中で、吾々のゴム履物を見つめるときまことに容易ならぬ事態に立ち到つ③エネルギー昭和五三年度基本方針518第5章 工業・情報通信【消費財】28 

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