北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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う一度、奮起して頂きたい。さじを投げないで頂きたい。528今日迄、私どもの商品をお買い上げ頂いたお客様を裏切る訳には行きませんし、私共の商品を扱って頂いたお取引先様、原料乳を提供して頂いた酪農家の皆様に対し、ここで引いてしまっては申し訳のしようもありません。又、今日の雪印を創り上げ、そして支えて頂いた諸先輩や関係会社の皆様に何といって申し開きできましょうか? いた、皆様の愛するご家族の方々の今迄のご努力に報いようがありません。私が社長に就任して以来、二回にわたる国会参考人招致を含め、外部の方へのお詫びの日々で、何ひとつ皆様に報いるものもなく、約ひと月経ちました。しかし、こ責任の重さ、事の重大性を深く受け止め、身を挺してあらゆる努力をして局面打開にあたることをお誓いします。従業員の皆様と心を一体にし、なんとかこの危急存亡の時をくぐり抜けるべく、勇気を持って決断して参りたい場主義に関わることであります。当社には長年にわたりトップメーカーとしての「慢心(驕り)」があったのではないでしょうか。このため、世の中の変化やお客様の変化のスピードと、当社のスピードにずれが生じ、創業の精神がいつのまにか忘れ去られたものと考えています。その背景には、川下から考えるという現場主義の不徹底がありました。今後、組織のあり方、運用を再構築するにあたり、この点をしっかりとおさえ改革したいと思います。大樹工場問題を引き金として、当初の判断を覆す事実   が、ひと月も立たぬうちに再浮上してきた訳でして、ある意味では、又最初から出直しという印象をお持ちの方々がおそらく大部分であろうかと思います。私自身も正直申しまして、その感がない訳ではありません。しかし、今日迄、かつて経験した事のない洗礼を私達全員が受け続け、事ある毎にあきらめず、失望せず、ヤケにならず、かつての雪印の栄光を必ず取り戻すという信念のもとに結集し、がんばってきました。皆さん、どうかもれ迄もそうでありましたし、これからも私達役員一同は、そして何より、皆様の日々の生活を支えてきて頂第5章 工業・情報通信【消費財】

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