北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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口とし、社内的には企画Gが所管して、社内で会議等も開催しながら検討している。検討委員会での議論だけでなく、農水省からは個別にチーズ工場の再編を提案されているところでもあり、前向きに検討しているところ。・ しかし、この間のチーズ異物混入事故で大きくシェアを落としている現状にあり、確かに工場の老朽化が原因となったところであるが、営業努力により事故前の販売数量に回復することが先決であり、すぐに工場整備に投資して大増産を図る経営環境にはないというのが正直なところ。・ 社内的には、今年、約六〇億かけて飲用工場を整備したが、チーズ工場よりも乳製品工場の方が老朽化が著しく(乳製品工場:三〇年、チーズ工場二〇年)、乳製品工場を何とかしなければならない実態にある。・ また、再編の相手となる明治乳業とは正式に協議したことはないが、その真意をはかりかねてい・ ・ ○ ・ る。本当にチーズ製造を安定的に委託してくれるのか。どうも最近ではチーズ事業も重要産業として位置付けていくような(単独で整備?)気配も感じられる。さらに、チーズ工場に数十億の投資をした場合、償却に二〇年くらいかかるが、生乳需給の見通しも不透明で、将来にわたってチーズ向けに安定的に配乳が確保されるのか不安がある。以上のような事情から、昨年末に社長が上京した際、農水省の松島課長に対して、乳業再編に積極的に取り組む意志はあるものの、今年、来年のチーズ工場の整備は困難である旨、表明したところ。チーズ異物混入事故問題について事故による製品廃棄に加え、チーズ以外の製品についてもキャンセル等が相次ぎ、三十数億の売上減。さらに製品回収に伴う補償等もあり、粗収益は一千億を切り、赤字決算となる見通し。また、535第3節 企業の社会的責任と食の品質

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