御挨拶を申上げます。北海道放送では、去る一月十八日以来、試験並にサービス放送を行っており、已に本道のみならず、遠く内地の皆々様にもおなじみになっていたゞいていると存じます。これ等ら五十日に亘る準備時代を終り、三月十日より営業を開始致しました次第であります。従来わが国では、放送はNHKによって一元的に行われて居りました。しかし、人々に好む放送をする自由と北海道放送株式会社「HBC関係 稿」一九五二年三月一〇日二七、三、一〇開業ノ回ノ放送 放送等の原好む放送をきく自由が、料金、届出などの心配なく与えられるということは誠に素晴しいことであり、誰しも望む所であったと思います。この希望を叶えるものが民間放送であります。これが同時に、文化に、経済活動に寄与する所が大きいことは申すまでもありません。去る二十五年、所謂電波三法の制定により、民間放送を行う途が開かれますや、全国各地にその計画が起りました。私共はわれらの北海道にも、内地にまけず民間放送を設けたい念願から、及ばずながら労力を致して参ったのであります。去年六月二十九日発起人会を開いてから、僅々四ケ月で、十一月廿二日には会社の創立を見たのであります。一方、放送に必要な諸設備は創立事務と平行してこれを進めて、これまた極めて順調に進捗し、会社創立後、僅か二ケ月を経た一月十八日から試験放送を開始し、本日から業務を開始す〔 民間放送は公共放送でありまして、一般の文化教養を 〕 へ高め、又、健全な娯楽となるやうな番組を放送致します。特に本社のニュースは北海道新聞が全機構を動員して作第二節 ラジオの時代からテレビの時代開業の回の放送原稿538第5章 工業・情報通信【情報通信】36
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