北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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 コ   昭-1 闇市の簇生と取り締まり2 全国的現象タル闇市場ナルモノ、本道ニ於テモ終戦後半島人ヲ主トシ内地人モ併セ札・樽・函等ノ都市ヲ主体トシテ道内各地ニ散見セラレタルモ、終戦後警察力ハ他ノ警備ニ主眼ヲ置キ来タル為、漸次多数続出シ、統制経済ヲ撹乱スルニ()ト著シキモノアリ。本年一月以来之等ノ一斉取締実施シタル処、函館市ニ於ケル闇市場取締ニ際シ半島人対内地人ノ騒擾ヲ惹起シ警察官多数ノ負傷ト市民ニモ犠牲ヲ出スニ至リタルモ、目下一応終息セシメ得タルガ、将来之等ノ新機構ニ依リ営業実施セシメント計画立案中ナリ。北海道庁長官官房秘書課「長官事務引継書 和二十一年二月」一九四六年かつては本道の経済首都として重厚な経済力を誇つた小樽市も戦時統制によつてすべての商権を札幌に奪われ、さらに戦後は樺太の喪失でミナトは見る影もなくさびれてしまつた。たとえば昭和十一年当時入港船舶は六千六百隻、七百五十万総トンをかぞえたものが最近ではやつと八百二十隻二百七十万総トンに凋落、うち外航船はひところの三百隻からいまは六十隻に激減してしまつた。こうして一昨年から昨年春ごろまでは失業の漸増や市民の転出(年間推定六百人程度だが)などご難つゞきのミナト小樽も自由経済の復活とともに商業部門を中心に昨年春いらい目覚しい復興ぶりをみせている。卸売業の復興〈一九五〇~五一年〉変貌する都市 小樽の巻見事にカムバツク (北海道立文書館所蔵 『北海道新聞』一九五一年二月六日統制はずれ〝商権〟帰るA七一一七三六)第一節 商業活動の戦後復興〔警察部防犯課闇市場取締状況ニ関スル件〕567第1節 商業活動の戦後復興

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