北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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4 百貨店問題もちろん他の店とて、いろいろ最近になつて手を入れてはいるが、店内通路の取り方を基本に考えて居らず、壁面の単純構成も余り見られず、陳列なり照明なりのアクセントもほとんどついていない。札幌の狸小路のシヨーウインドウは店内より却つて暗いという逆現象を呈していた。店舗というものは近代化さえすればよいというのではなく、また美しいキレイということは必ずしも大事なことではない。第一義に大事なことは能率のよいことであり、又店舗の個性(客にとつての魅力)を創造することである。以上欠点ばかりをあげて来たが、私としてはそれを直    言する外はない。安易にご機嫌をとり結びたいとは考えない。(東京都商工指導所商店課長)札幌商工会議所『札幌市に於けるデパート商店街買物傾向調査書』一九五五年本調査は、札幌市の商店を夫々の性格(居住地域小売店、デパート、専門店会加盟店、狸小路商店街、生活協同組合、購買会等)に分類して、それらの商店が、どの様な比率を以て市民から利用されているか、又消費者が買物をする場合は、どの様な条件を備えた店舗を選ぶ傾向にあるか、更に各店舗に対する希望事項を率直に表明してもらう事によつて、今後のサービスの改善、及び商店経営のあり方について指針を与えんとするものである。特に、最近に於けるデパートと一般小売店の対立競合、更にその間隙を縫つて生活協同組合、購買会等の進出、これらはデフレが深化するにつれて、今後益々激しさを加えてゆくものであろう。この様な問題は百貨店法の制定や、その他の小売店保護法の制定だけで簡単に解決し得る問題であろうか、消費者は何が故にデパートに集中するのであろうか、然らば一般小売店はデパートの進出を防ぐためには今後如何なる販売方法が望ましいか、一方デパートに於ても現在はしがき570第6章 商業

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