北海道現代史 資料編2(産業・経済)
588/1104

然し一面、嘗って当市商業の掌握する処でありました、574道内新興都市卸売業界の、こゝ数年における伸長は、軽視し得ないものがあり、更に、本市卸売業の機能を充分に発揮し、商圏の維持、拡張を図るためには、なお問題が山積している状況にあります。先に、本市工業関係者は、小樽物産協会を結成し産業振興のため意欲的な活動を続けておりますが、卸売業界と致しましても、相互の連繋を密に保ち、諸問題を積極的に解決して、業界の振興は元より小樽市の発展に資したいと存じ、こゝに下名等発起人となって、力の結集機関「小樽卸商連盟」の設立を意図致しました。各位におかれては、時節柄何かと御多端とは存じますが、右の趣旨に御賛同下さいまして、本連盟に御加入下され、御尽力を賜りますよう、御挨拶旁々お願い申上げる次第であります。昭和三十五年十月 5 小樽卸商連盟「趣意書」趣 意 往年、小樽は本道における商業の要衝として繁栄し、樺太、対岸諸国に及ぶ広大な経済圏は、他に比類をみませんでしたが、戦後は、その優位性を喪失し、永年培われた商業の機能を初め、道内随一の施設を持つ港湾をも充分に活用されない状態に陥りました。業界では、これらの状勢に対応して、個々に、或は力を結集して諸施策を推進致しました結果、多くのみるべき成果を挙げ、最近、全道の小樽に対する理解と認識が一段と強まっておりますことは、大きな慶びとする処であります。小樽商工会議所「卸商連盟綴 三十五年」一九六〇年 日   書  小樽市色内町六丁目三十一番地小樽商工会議所内(T(二)一一七七)第二節 商業活動の拡大と課題第6章 商業

元のページ  ../index.html#588

このブックを見る