資料1は、北海道では第一号となる公共工事前払保証対象工事を紹介した資料である。戦後の急激な復旧・復興工資料2は、一九五三(昭和二八)年に農林省農地局が泥炭地開発の技術的課題と方策についてまとめた資料である。資料3では、世界でも初となる大規模な掘り込み式港湾(陸地を掘込んで造成した港湾)の建設が記されている。北太平洋戦争後の混乱期にあって、食料増産と人口問題への対応、エネルギー開発は我が国再建の最重要課題と位置付けられた。これらの課題解決のため、北海道開発が本格的に進められた。社会基盤整備に関わる予算が増加する一方で、課題はそれらの工事を施工する建設企業の技術力だった。このような状況を背景に、北海道に本社を置く企業を中心に、技術の切磋琢磨を目指す団体設立の気運が盛り上がり、北海道建設業協会が発足。官民が一体となった社会基盤整備が進むことになる。事の増加に対応する建設業者について、経営基盤が不安定な業者が多数存在し、工事の遅延や中止などが社会問題となっていたことから、建設省が中心となって契約後に前払金を支払う会社の設立を支援、北海道を含め全国で三社が発足した。北海道建設業信用保証株式会社が第一号で保証した工事は「桂沢堰堤仮設備建設工事」であった。建設工事機械を使用して排水事業を行った篠津原野の事例を挙げ、人力との比較で機械使用の効率性を説明している。戦後社会基盤整備のあけぼの解 【建設業】第一節 戦後の混乱と北海道開発の推進、建設業協会設立へ639(1) 解 説 説
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