北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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4 北海道総合開発の意義と基本目標に人間で在ると論じ新たにドイツ植民政策の根本を明かにしました。こゝにドイツ植民政策は一変して、科学的となり、文化的となり、漸次その成果を挙げるに至つたことは植民地史上有名な事実であります。我々北海道の総合開発計画も従来のように物的資源開発中心策を避けて等しく人的資源の開発にも重きを置くべきであるとの考えを基として、開発計画を樹立し、発表しました。この点に就ては我々の樹てた総合開発計画は道庁初期の拓殖計画よりは、寧ろ開拓使時代の開拓方針と根本的に一脈相通じるものがあると考えられます。物質資源の開発のみを目的とする拓殖政策は十九世紀以前に行われた政策の遺物であつて、独り、物的資源のみでなく更に人的資源の開発発展をも併せて促がす政策こそ、現時列国の採りつゝある開発政策の根本方針であります。斯くしてこそ我が北海道に於ても、こゝに輝しい北方文化の花が咲き、実を結んで本道の真価を充分に発揮し得るに至ると固く信じ第一次及び第二次の五カ年計画を調査立案したのであります。わが国経済の自立達成のためには、貿易の拡大と相俟つて国内に於ける資源を最高度に開発利用し、生産の拡大と自給度の向上を図らねばならない。とりわけ未開発資源を最も多く包蔵している北海道開発の国土開発における意義は誠に大きいものがある。開道以来九〇年の間に目覚しい発展の歩みを遂げた北      構造的には後進的な脆さを持つている。それゆえに北海海道は、概ね全国水準に近ずいた感はあるが、なお産業道の開発が、資源の開発と併せ産業の高度な発展を指向第一節 北海道総合開発の意義(北海道立図書館所蔵)一九五六年六月北海道『北海道総合開発第二次五カ年計画』52第1章 地域経済と経済政策

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