用車急増、乗務員不足などの現状に対し、不採算路線への対応、ワンマン化、運賃改定などの課題が示されている。点で、道内の輸送は入荷・出荷ともに六割以上がトラック輸送となっていた。道外からの入荷では三割の船舶が最大であり、臨海工業地帯における輸移入の大きさを示している。他方、道外への出荷は鉄道のみ利用が四割弱と最大を占めており、国鉄・青函連絡船による輸送がメインだったことをうかがわせる。なお割合は二%強程度とまだ少ないものの、道外入荷・出荷においてトラック・フェリーによる輸送が現れている点も注目されている。拡大していたものの利用客は千歳空港に集中しており、一九六六年当時の北海道―本州の旅客数のうち千歳―東京間は八四%を占めていた。これに対し、稚内・利尻・女満別・中標津・紋別等の空港は気象条件が悪く利用客の少ないことから夏季期間のみの運航となっており、通年運航確保のため北海道及び国に対し保安設備整備や財政補助の要望が出されていた。各地に長距離のフェリー航路が次々と開設され、渋滞が常態化する陸路のバイパスとしての役割を担うようになった。北海道でも日本海で初の長距離フェリーとして小樽―敦賀―舞鶴間を結ぶ新日本海フェリーが開業した。トラックのまま積み替えなしに北海道と関西を直結するルートとして、青函連絡船の飽和状態を緩和する役割も期待された。一九七〇年代後半から高速道路を含む道路整備が進展し、長距離の移動においても自動車が重要な役割を占めるようになった。他方国鉄の赤字問題が深刻化し、赤字ローカル線の廃止が進む。一九八七(昭和六二)年には国鉄分割資料33は一九六八年度時点での道内貨物の流通を、輸送機関別に知ることのできる貴重な調査結果である。この時資料34はローカル空港も含めた北海道各地の空港の現状と整備拡張計画を示したものである。航空機輸送は順調に資料35は新日本海フェリーの設立趣意書である。トラック輸送の拡大と長距離化の中で、一九六〇年代後半、日本第四節 進む高速化と赤字路線問題648 第7章 建設業・交通【交通】
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