北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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道庁「赤レンガ」の復元 三月末に建物周囲に外部足場を架け始めたら、早速道民の方々から「赤煉瓦を壊すのですか」という問合わせが殺到したと新聞などに書いてありましたが、確かに道庁といえば赤レンガという風に広く道民から親しまれている建物も少ないでしよう。ご存知のように、この五月道庁赤れんが庁舎復元と百年記念塔、そしてオリンピック施設建設道庁赤煉瓦復元共同企業体工事々務所 伊藤組社報編集委員会『社報』二八号一九六六年一月に現場史跡調査を終えた開拓使札幌本庁舎跡と合わせて赤レンガの建物が国から史跡に指定されたのも、建物そのものの建築的価値ばかりでなく、なんとか赤レンガを長く保存したいという道民の強い要望があったからかもしれません。さて、建物を当初の形に復元するというような所謂文化財の復元工事は、我々施工業者にとって得がたい経験かと思われますので本工事に参加させていただいた現場員の一人として、その概要を社員の皆さんにご紹介いたしたいと思います。赤レンガの建物は、明治一九年起工、同二一年竣功と   排気塔等の撤去をはじめ、同四二年春の大火災などにいいますから、実に八〇数年を経た歴史的な建物なので〔人 名〕 すが、現在に至る迄には、明治二九年頃の屋上八角塔、よってかなりの変遷を経て現在のような形になっています。しかし、建物の平面そのものは殆んど変っておりませんし、又この建物の特徴である外壁の赤煉瓦は多少の補修はありましたが、その大部分は当初のものであると第二節 オリンピックとオイルショック6 道庁「赤れんが」の復元【建設業】658(1) 第7章 建設業・交通【建設業】

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