北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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の経済的社会的矛盾をあらわにしつつあり、これを解決するためには、産業の適正配置、農業等の近代化をはかることが必須とされている。これに対し、北海道は原料資源にめぐまれ、用地用水が豊富に存しており、産業基盤も逐次整備されてきている等、その産業立地条件は相対的有利性を増しつつあり、わが国工業の拡大発展のための重要な工業開発拠点として積極的役割を果し得るのである。また、北海道は、畜産物、てん菜等成長農産物拡大の余地大きく、自立経営確立に必要な経営規模拡大の可能性も有しており、わが国農業の発展およびその体質改善のうえに果す役割はきわめて重要である。かくして、北海道の開発は、国民経済の発展段階に即して、その安定的高度成長に積極的に寄与するという新たな役割が要請されるのである。一方、北海道の現状をかえりみるとき、今日までの開発の成果として、一応順調な経済成長を遂げてきているが、なお、産業構造における後進性の内在、投資の地域内波及効果の低さ等、その経済体質において改善されるべきいくつかの問題を擁しており、これらを総合的観点にたつて是正していくことによつて、投資効果を飛躍的に高めうる段階にはいるとともに、北海道開発の新たな課題にも応えうることとなる。第4 この計画においては、産業構造の高度化を主軸として経済規模の飛躍拡大をはかり、国民経済の安定的高度成長に積極的に寄与するとともに、北海道経済の自律的発展の基礎を固めることを目標とする。このような目標をみたすための昭和四五年度(以下    「目標年次」という。)における経済の規模と構造を、おおむねつぎのとおり見込むものとする。〈中略〉計画の目標55第1節 地域開発

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