北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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ていたが、本年からトレラー牽引車を改造した雪掻車を利用して、札幌駅前平岸小学校前間を運転し、本区間住民の利便を図つた。尚四月廿一日から簾舞まで、五月十一日から定山渓まで運転開始し何れも十一月十五日から降雪のため再び休止した。当社ではトレラーバス二輛を札幌市交通局に譲渡し、新たに大型扶桑五輛を購入し、更に宣伝サービスの向上等に最善を尽して旅客誘致の態勢を整えたゝめ、本州方面からの観光客著しく多く、特に貸切車の利用が目立つて増加した。結局一月一日から十二月卅一日までの期間の運輸成績について前年と対比すれば、乗車人員は二割六分の増加に過ぎないが、収入は十一割四分の増加を示し、乗車人員四三七、〇三五人、収入一四、一三三、六五〇円を挙げたが、乗車人員と収入の増加割合に著しい差があるのは、貸切運賃の値上げが多少影響はあるが、主として長距離貸切の利用が多かつたゝめである。昭和二七年四月一日から昭和二八年三月三一日まで本期の旅客は経済情勢不安定の影響により一時、僅かに減少を来しましたが、新造車二輛の増備、二等運賃制度による運転、スピードアツプ等役職員一同協力して積極的サービスの向上に努めました結果、収入は前期に比べ二九%増、亦貨物については、鉄鉱石輸送の増加により、瓲数は前期に比べ一〇%の増を示し、収入は一〇五%増の好成績を得ました。定期バスは急行、準急電車の運転によつて、通過駅旅客のために運行の調整を行つて利便に供し、貸切バスについては観光団体客の増加に伴い支笏、洞爺国立公園廻遊用として小型ロマンス車一輛を増備し更に積極的な旅客誘致に努めました結果、前期に比し二八%増の好成績を得ました。尚、定期バスは冬期間平岸小学校、定山渓間の運転を    〈中略〉自動車業営業の概要鉄道業〔第四一期営業報告書〕688第7章 建設業・交通【交通】

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