6 北海道開発の基本構想~開発の基本的方向第2 北海道開発の基本構想北海道の開発は、明治二年開拓使を設置し、国が積極的経営に乗り出して以来、国によって計画的、組織的に進められてきた。とくに、戦後は、北海道開発法に基づき、国は、北海道総合開発計画を樹立し、これに基づいて積極的に開発を推進しているところである。現在、第二期北海道総合開発計画を実施中であり、この計画の終了を契機として、これに続く北海道総合開発計画をさらに積極的に策定、実施することとしているので、この新全国総合開発計画と次期北海道総合開発計画は調整されなければならないが、現段階における開発の基本構想を示せば、つぎのとおりである。1 開発の基本的方向経済企画庁『新全国総合開発計画(増補) 昭和一九七三年近時、北海道は、比較的順調な発展を続けているが、その反面、産業構造における後進性の内在等その経済体質において改善されるべきいくつかの問題を擁している。しかしながら、北海道は、豊富な各種資源、豊かな用地用水、広大な自然とすぐれた北方風土に恵まれているばかりでなく、地理的にも北方圏の要衝としての位置を占めており、わが国経済社会の飛躍的発展に著しく寄与しうる地域として、大きな開発可能性を秘めている。今後、北海道は、開発の歴史とその特殊性を尊重し、 主要食料供給基地として、また、わが国経済の国際化、またこれらのすぐれた条件を十分に生かすことにより、内在する諸問題を克服しつつ、大規模畜産を主軸とする大型化に対応する大規模工業基地およびエネルギー供給基地として発展すると同時に、雄大な自然を背景とする国民保養と国際観光の場、あるいは北方圏および太平洋沿岸諸国との国際交流のうえからも重要な位置を占めることになろう。このような北海道の役割を十分に発揮させるため、都5744年5月30日(昭和47年10月31日一部改訂』第1節 地域開発
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