で、遺骨七九三柱を遺家族と同一客車で輸送し、又死体腐敗防止用のドライアイスが現地で入手できなくなつたので東京から直送を行い、なお遺家族の旅行のために特別二等車の割当枚数の変更、優等車の青森集結等を行つた。十月一日に予定した東北方面の時刻改正は、予定期日に行つたが、洞爺丸事故にかんがみ一二〇一、一二〇二列車の一等寝台の青函航送は中止し、時刻改正を機に二等寝台車の上野―札幌間直通を計画していたのも、とりやめることとした。今後残されている問題としては、既に新聞紙上でも論じられているように、青函客貨輸送の分離や青函海底トンネル、あるいは連絡船の補充というような大きなものが山積している。又、さしあたりの措置として行つた緊急的な旅客・荷物の変則的取扱も、早晩これを廃して正常な形態にもどし、事故に便乗する不正旅客等の防止を考えるべき段階に達していると考える。(営業局旅客課)(国立国会図書館所蔵)697 第1節 復興と輸送
元のページ ../index.html#711