北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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設の各種交通機関が相互に有機的交通網の形成につとめることが緊要であるが、一面これらの輸送力をもつてしては解決することが至難な状態に立ち至るものと思料される。すなわち、自動車交通量の激増により、都市交通の主体をなしている路面電車ならびにバスの表定速度が年々低下しつつある実情にかんがみ、輸送の動脈を大量輸送に適する新たな高速軌道によつて構成し、路面電車およびバスについては、高速軌道との関連において、それぞれの役割を果すことが考えられる。以上のことから、本専門委員は、札幌市の根幹をなすべき高速軌道の整備について調査研究を行なつてきたが、その結論はつぎのとおりである。 記―     札幌市は近年著しい人口の増加により、都市におけるⅠ 札幌市における高速軌道計画の基本方針諸般の活動もいっそう多様化し、急激な成長を遂げつつ都市計画との関連ある。このため市においては昭和四〇年七月に、昭和六〇年を目途とする都市計画用途地域、街路計画および人口配分計画の策定がなされている。したがって、都市の構成に多大の影響力をもつ高速軌道の整備にあたっては、前述の基礎計画と有機的に調和することを前提として計画されなければならない。さらに高速軌道を整備することによつて、統一ある都市構成がその意義を深めることを必要とする。以上の趣旨を要約し、高速軌道計画の具体的な基本方針を列挙すれば、つぎのとおりである。1 2 3 高速軌道計画は、昭和六〇年を目途とし、都市計画施設として整備する。都市計画と有機的に関連し、統一ある将来の都市構成の育成、助長に資するものとする。都市計画行政の実施にあたつて、高速軌道が有効に、その機能を発揮しうるよう、大規模な住宅団地、学校施設、副都心に類する施設等の造成が計画される地域を、その影響圏に包含する。702第7章 建設業・交通【交通】

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