となりました。政府政策当局に於いても、此の点を配慮され、中国、九州の過疎地帯へ()の移行する事を考えられて居る様ですが、此の瀬戸内海、周辺も、現状の趨勢では、二十年を待たずして、今度は瀬戸内海が、スモッグで船舶の航行が出来なくなる事が、明らかであります。そこ迄の見透しが政府当局に為されているかどうか、全く疑問に思はれるものであります。B.日本は狭い我が国は、御承知の様に小さい島国であります。此の狭溢()な土地で欧米に比肩した、工業国として、生きて行かねばならないとすれば、必然的に領土全地域に亘り、有効且つ、効率的な利用を進めて行かねばならない事は論をまたない。従つて此の狭い領土に米国並の大型道路は所と場所に依つて、無理ではないかと一考するものであります。其の代り、四面海で恵まれている自由自在の海の活用をフルに利用する事に依つて之を補ふを最も良策と存ずるものママC.日本海時代来るであり、幸に我が国は細長い島、嶼であるのでせめて縦の分野でも海に交通の動脈を求め、重要港湾を起点とした、横の道路網を先づ開発すべきでないかと思はれるのであります。月を開発するに至つた、今日何故、我が国では、寒冷地と云うだけで日本海沿岸が発展出来ないだろうか。天地、自然の利を用うる事を最も得策とする事は、当然でありますが、今日の技術進歩と経済構造の変化は、過疎地帯、日本海沿岸の利用はまことに容易であり、今や進んで取組むべき時期であります。太平洋瀬戸内海沿岸と日本海沿岸の経済格差が何故こんなに生ずるか、今日は住民の努力に依つて是正さるべき時代となつたのであります。一例を揚げれば、石油コンビナートの如き、原料をソ連に求めれば尚結構でありますが、南から求めても太平洋沿岸に対して更に優位である事は、歴然としているにも不拘、誰も、実行しようとしない事728 隘 第7章 建設業・交通【交通】
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