北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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め荷役労力を有しない、と共に、積替え等がない為荷傷みする事なく且、数量等の間違いがありません。又乗用車については、従来の関西、中四国、九州のマイカー族が望み得なかつた、北海道の楽しい車の旅行が多易く出来る福音であります。旅客については何よりも安い旅費と共に船の旅情は又格別であり、冷暖房の、ゆつたりとした船室に、食堂、浴室、娯楽室等で快適な旅を楽しめる事は誰人といえども、是非一度は味わいたい夢であります。又、本事業は何れも、低運賃で採算性も有する事は、第一に人件費の負担の少い事で通常一般輸送機関では、総収入の四〇%~五〇%の人件費を必要としますが、本フェリーは一〇%弱で運営出来ると云う事であります。3.北海道と関西地方の有益性本事業の開設に依つて関西経済と、北海道は極端に微     近接し、目下計画実施中と仄聞する、舞鶴/大阪ハイウエー完成により、大阪と札幌は一昼夜にして物も人も直結する事となり、両地域の発展は歴然たるものがあり殊に観光に於ては、本土より北海道へ四二年度、四三五万人の観光客と承知していますが、関西以西でどの位あつたかは、関係諸機関で調査しましたが判然と致しません。して、この三%を誘致しても、一二〇万人の観光客を吸収出来る事となり、関連事業の益する所や大であります。又、物的面に於ても、近代の大衆大量消費の増大を助長し、地域経済の発展はもとより、之等関連の工場建設等が促進される事は当然でありまして、正に新日本海経済の勃興する新時代来ると思惟される次第であります。沿岸関係諸地域に於ても、これ程適応性、必要性を有するものなしと存じ茲に新たなる決意と勇気を以つて本計画を発起致しました次第で、之が大成を念願する所であります。何卒私共発起人の徴()衷を諒とせられ、然し近畿、四国、中国、九州の人口は約四千万人に以上申し述べました通り我が国経済に取つても、又730第7章 建設業・交通【交通】

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