北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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なお、この問題については、北海道農山漁村電気協議会連合会『北海道農山漁村電化のあゆみ』(一九七三年)が詳しい。はないが、これらを有機的に結合することによって有力な電源開発が可能な河川があり、工業用水、農業用水、洪水調節など多目的利用の道が開かれると展望されている。資料24②の北電による水力・火力発電計画を重ねると、高度経済成長期を迎えていた北海道のエネルギー基盤を支える電源開発に関係機関が準備万端整えつつある状況が明らかになる。桂沢、金山、大雪ダムなどの治水・利水ダムが存在したが、一九七五(昭和五〇)年八月の洪水をきっかけとして流域治水の強化を図ることが必要との判断がなされた。石狩川流域は札幌等、重要地域が控えており、治水はもちろん水道用、工業用、農業用及び発電用に資するダム建設が不可避と考えられたのである。股・川端両発電所は石狩川水系夕張川に設置された。群馬県、神奈川県など公営発電所を所有する自治体はあるが、道営発電所は北海道の総合開発事業との連携に意を尽くす点で出色の働きをしている。である。北海道は九州と並んで、地域に多くの炭鉱を抱え、そこに働く鉱員をはじめ、炭鉱とともに生活と営業を営む地域が多かったことが大きく影響していた。「石油が石炭より安い」という理由だけで全てを決められない地元の資料24①は、日高水系電源開発についての概要報告である。日高地方には鵡川、沙流川、新冠川等、決して長大で資料25は、石狩川支流の空知川中流部に計画された滝里ダム計画概要である。石狩川水系にはその時点までに既に資料26は、一九四〇年代後半からの道営発電所開発についての記録である。鷹泊発電所は石狩川水系雨竜川に、二資料27は、石炭から石油という、いわゆる「エネルギー革命」に対する北電の対応を同社の社史から紹介したもの第二節 石炭・石油と環境問題762第8章 鉱業・エネルギー【エネルギー】    

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